バレル工具とは

バレル工具は通常の径でありながら、切刃に大きなRをもつ新しいタイプの工具です。Rの大きさは30~1500、径は3mm~16mm程度のラインナップが用意されており、加工形状に合わせて、選択することが出来ます。エムーゲ・フランケン、MOLDINO(三菱日立ツール)、三菱マテリアル、OSG(オーエスジー)、FRAISA(フレイザー)など、各社工具メーカーから販売されております。

アドバンス加工用エンドミルシリーズ
EMUGE FRANKEN・MOLDINOロゴ
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よくある疑問

・バレル工具のメリットは?
・どんな形状に向いているの?
・バレル工具の加工プログラムはどうやって作成するの?
・バレル工具に対応しているCAMは?
・バレル工具の工具設定は特殊で、難しそう。

バレル工具機能

バレル工具を使用する理由

バレル工具最大の魅力は加工時間の短縮を容易に実現出来ることです。バレル工具のもつ巨大なバレルRを加工面に接触させながら、大きい切込みで加工を行うことで、加工時間を大幅に短縮します。

エムーゲ・フランケン社、バレル工具(サークルセグメント)では、10Φの工具に250Rがついています。250Rで加工を行うことで、500Φのボールエンドミルで加工した際と同じ効果を発揮します。切込みを大きくしても、面粗さを保持することが可能であり、加工時間を大幅に短縮します。

バレル工具
バレル工具
理論上面粗さ:スキャロップ0.001の場合

加工ピッチの変化

曲面の加工をボールエンドミルからバレル工具へ

曲面は必要とされる面粗さを保つ為に、ボールエンドミルによる細かいピックフィードでの加工が必要となります。バレル工具の場合、使用するRが大きい為、大きな切込みで同様の面粗さを実現出来ます。ボールエンドミルからバレル工具へ置き換えることで、曲面の加工時間を短縮します。

小さいコーナーRのついた高い壁・ポケット

小さいコーナーRのついた高い壁や深いポケットにおいて、工具の突出し量が長くなる為、ボールエンドミルによる5軸加工を用いる場合がございます。しかし細かいピックフィードが必要になる為加工時間の増大が懸念されます。また複数の工具を使用する場合は、工具本数とプログラム時間の増大、加工間の段差が懸念されます。

バレル工具加工イメージ

このような高い壁やポケットの悩みをバレル工具一本で解決することが出来ます。バレル工具は大きいRのほか、先端部はボールエンドミルのかわりとして活用することが出来ます。5軸加工を用いて、バレルRで平面部を加工し、先端部でコーナーRの加工を行います。バレルRによる大きい切込みと、安定したコーナーRの加工をバレル工具一本で実現し、加工時間の短縮とコスト削減を実現します。

 

バレル工具といえばhyperMILL

バレル工具を活用する為には、バレル工具を用いたツールパスとプログラム作成に対応したCAMソフトウエアの選定が重要です。常にバレルRを加工面に接触させて加工を行う必要があるため、高度なツールパス計算が必要となります。また、バレル工具のメリットを最大限に活用する為には、5軸加工が必要となります。これらの必要条件を兼ね備え、かつシンプルな操作でバレル工具の活用を実現出来るCAMソフトウエアが『hyperMILL』です。hyperMILLは5軸加工CAMとして、世界で多くのプログラマーによって使用されていますが、バレル工具への対応実績と取り組みは、他のCAMソフトウエアの追随を許しません。

hyperMILL

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